東京に来て3年、何の目標もなくフラフラしてきたイ・ヨンウン(イェソン)は、勤め先の輸入食品会社から、業績不振を理由にリストラを言い渡される。明日からの沖縄出張が、最後の仕事だ。肩を落として、恋人のユリ(崎山一葉)と暮らすマンションに帰ると、なんと彼女は浮気の真っ最中!
翌日、ヨンウンが沖縄での仕事を終えると、なんと会社はニセモノの健康食品を扱っていて、警察に踏み込まれたのだ。先輩に「しばらく沖縄にいろ」と言われ、公園で途方に暮れていたヨンウンは、川本(佐藤正宏)と小百合(ふせえり)と名乗る男女から声を掛けられ、一緒に飲むことになる。
翌朝、泡盛を飲みすぎて二日酔いのヨンウンは、訪ねてきた川本に、きれいさっぱり忘れていた昨夜のことを聞いて驚く。川本が経営する外国語学院で、契約金をもらって姿を消した講師の代わりに、今日から韓国語を教えると約束したというのだ
断り切れず教壇に立ち、しどろもどろで授業を進めるヨンウン。終了後、川本の行きつけのバーで、川本と小百合から励まされるヨンウンは、怖い顔で自分を睨む生徒がいると相談する。彼女の名は山城さくら(佐々木希)、来年から小学生になる息子がいるシングルマザーで、両親は早くに亡くなり、今はおばあちゃんと3人暮らし。バイトを転々としていたが、ようやく旅行会社に仮採用された。ただし、それはさくらが面接で、韓国語ができると言ったから。実はKPOPが好きで、これから勉強したいと思っていただけなのだが、つい流れで嘘をついてしまったのだ。その言葉を証明できなければ、本採用どころかクビになってしまう。
さくらが試される機会が、さっそくやって来る。大きな契約が掛かった韓国の旅行会社の社長が来日するのだ。さくらはヨンウンに、休日に個人授業をしてくれないかと泣きつく。ところがレッスンの途中で、息子の圭が帰って来ないと連絡が入る。必死で探すさくらの姿を見て、ヨンウンは彼女が韓国語に仕事に一生懸命なのは、すべて圭を立派に育てるためだと理解して心を動かされる。
翌日から、ヨンウンは日課を変える。昼間はさくらの祖母の食料品店の手伝い、夕方は圭のお迎え、夜は学校の先生、そして休日は個人レッスンに圭の遊び相手。すべては彼女を応援するためだが、ヨンウンの毎日も生き生きと輝き始める。
ところが、例の韓国の社長の来日が来週に早まり、いくら何でも間に合わない。いつものバーで、頭を抱えるヨンウン、同情する川本と小百合。すると、話を聞いていたマスター(吹越満)が、とんでもない作成をもちかける。様々なアクシデントで事態は思わぬ方向に転ぶが、気が付けば二人の距離はグッと近くに。しかし、互いの秘めた事情から、さらなるハプニングが二人を待ち受けていた――


初めての主演映画への出演、日本語でのお芝居に挑戦ということで、とてもプレッシャーを感じていたのですが、朝原監督、佐々木さんはじめ、素晴らしいキャストの方々とお芝居をさせていただき、楽しんで撮影に臨むことができました。
僕が演じたヨンウンは、頼りないながらも心の優しい青年です。沖縄でさくらに出会った後、なんとか彼女の役に立ちたいという気持ちを持つとともに、自分自身の人生も見つめ直していきます。また、今回は主題歌も担当させていただくことになり、映画の世界観を考えながら、楽曲を制作しました。
「雨のち晴れの空の色」は大切な人を思い、思いを伝える歌になっています。
僕が映画で演じたヨンウンとも重なる部分が多いと感じています。綺麗なメロディーと歌詞を愛していただけたらうれしいです。この作品には心が温かくなる、たくさんの愛が詰まっています。沖縄の爽やかな風景とともに、多くの方に、楽しんで観てもらえればと思います。